地政学的リスク(2)−暴落リスクへの対処− 

ついに安保理で北朝鮮に対する決議案が採択されました。中国が北朝鮮に影響力を行使してくれていますし、このまま何事も無いことを切に祈っています。

安保理、北朝鮮決議案を全会一致で採択
国連安全保障理事会は15日午後(日本時間16日午前)、北朝鮮のミサイル発射を非難し、弾道ミサイル計画に関連するすべての活動の中止とミサイル発射凍結の再確認、核開発放棄などを求める決議案を全会一致で採択した。
日本主導の安保理決議案が採択されたのは初めて。国際社会が結束して北朝鮮に核・ミサイル開発の放棄を迫る意思表示となった。同決議1695は強制力を伴う国連憲章7章に基づくものではないが、安保理決議自体が各国に順守を義務付ける法的拘束力を持つ。

決議は、北朝鮮の7月5日の「テポドン2号」など弾道ミサイルの発射を非難し、再発射の兆候があることに「重大な懸念」を表明。核開発を公言している北朝鮮の今回のミサイル発射が「地域と周辺の平和、安定、安全を危うくするものである」と確認した。(2006年07月16日:読売新聞)』


さて、『地政学的リスク(1)』で書いた内容の続きです。

『この地政学的リスクに対して、投資家としてどう対処しておくべきか?それは改めて書きたいと思います。』

今回北朝鮮は7発のミサイルを発射しました。もしその内の一発が日本の領海に着弾してしまい、一気に両国の緊張が高まったら?
恐らく株価は大暴落するでしょう。それは日本人が売るのでなく、外国人が日本国株をぶん投げてくるであろうからです。国内の個人投資家にとってまさに非常事態です。

この7月5日、ゆうちゃんパパは自分に足りないリスクへの対処方法を学ぶ良い機会だと実はとらえていました。
そして、大暴落から自分の持ち株を守る方法、ヘッジ売りの勉強をしようと思ったのです。具体的には、テポドン発射の一報後の朝の7時に『ダイワ上場投信−日経225ETF』に信用売りを入れてみました。

【テポドン発射の当日(07月05日)】
日経225ETF060705今回は大暴落対応のシュミレーションが目的ですので、場が開く前に成り行きで信用売り注文を入れます。(いくらで値段がつくかも実験です)そして、予想通り朝一にがつんと下げて始まりました。しかし、その後は上昇に転じ、結局朝の約定値15,580円がその日の安値でした。相場は意外と冷静な反応を見せました。しかし、ヘッジの体得のため、当然翌日に持ち越します。

【テポドン発射の翌日(07月06日)】
日経225ETF060706翌日は、7発もミサイルが発射された漠然とした不安感がじわじわと市場を侵食し始め、前日の終値よりもう一段下げたところから始まります。そしてそのまま下落。売りから入って完全に勝てるパターンでした。今回は勝負でなく実験ですので、うちの奥さんのセンスで15,500円にて返済買をしました。

結局のところ、手数料もろもろを引いて以下の結果となりました。
155,800円(10単位)→155,000円(10単位)損益 +586

実際に何か起こった際には、ことの大小にもよりますが、最低この20倍の金額で売り建てて、そしてもう1,000円下の14,500円で返済買いすることを想定しています。そうなると、20万円の利益。ただし、これは利益では無く、下落に対するヘッジ売り(つなぎ売り)と言うことです。
サーキットブレイカーが発動するほどの下げが何日か続いても、ヘッジ売りをかけている限り、理論的には、初値分の下落幅以上に資産が減らないことになります。

また、このヘッジをかける最大の目的は、『信用取引分での追証を避ける』ことにあります。

例えば、100万円の現金があったとします。100万円分の買い建てをすると信用保証維持率は、100%。これに対するヘッジを同額、つまり100万円分ETFでかけるとすると、個別の値動きの差を無視するとほぼヘッジでカバーできることになります。
そして、この時の信用保証率は50%になります。信用保証率としてはこれがぎりぎりじゃないでしょうか。

つまり、信用保証率は、100%以上を維持しておかねばならないことになります。これが、信用取引をやる大原則と考えています。そして『地政学的リスクにどう対処しておくべきか』への答えでもあります。

ゆうちゃんパパはもちろん我が家の家計を守る責任がありますが、このブログを読んでいただく皆様にも負けて欲しくありません。
よく口にしていますように、やっぱり命の金を賭けている仲間ですから。甘いといわれようが、そう思います。

地政学的リスク(1) 

昨日、北朝鮮が日本海に向けてミサイルを数発発射しました。昨日と言えば、7月4日。そう、アメリカの独立記念日です。
最近投資を始めた人はあまり気にしていないかもしれませんが、ゆうちゃんパパはNYの同時多発テロの時の相場の記憶が鮮明に残っているため、毎年この日は用心をするようにしています。具体的には7月4日前後には、株式のポジションを下げています。

しかし、北朝鮮と言う国は何を考えているんでしょうね。全く怖い国です。

<北朝鮮ミサイル>7発目を発射、日本海に落下 防衛庁発表
防衛庁は5日夕、「北朝鮮が同日午後5時20分ごろ、7発目のミサイルを発射した」と発表した。午前中の6発と同様、日本の国土から数百キロ離れた日本海に落下した模様。被害などは確認されていない。(毎日新聞:2006年7月5日)』


推進装置分離せず本体落下=「完成度低く、逆に危険」−北朝鮮ミサイル・防衛庁
北朝鮮によるミサイル発射で、防衛庁は5日午後も、海上自衛隊のイージス艦と電子戦データ収集機EP3を日本海とその上空に出動させ、厳戒態勢を継続している。同庁は、米偵察衛星の画像などから、発射されたテポドン2号は、ブースター(推進装置)部分が本体から切り離されないまま日本海に落下した可能性が高いとみている。
 防衛庁によると、米軍の偵察衛星が5日撮影した画像では、5月上旬から監視していた北朝鮮ミサイル基地の発射台からテポドン2号が見えなくなった。今回発射し、失敗した3発目とみられる。同庁は護衛艦を出動させ、落下物の捜索を続けている。
 同庁幹部は「燃料系統の不具合で失速したのか原因は分からないが、いずれにせよテポドン2号の完成度が低いことが証明された。どこに落下するか予測できないという意味では、テポドン1号より危険度は逆に高い」と指摘した。(時事通信:2006年7月5日) 』


問題なのは、この昨日の発射について、専門家を含めて多くの人が北朝鮮の動向を見誤っていたこと。
  1. 日米が強く警告しており、撃つとは思っていなかった。
  2. 監視地点以外から撃つとは思っていなかった。
  3. 複数発撃ってくるとは思っていなかった。
特に、テポドン2以外のミサイルを撃ってくるとは、完全に裏をかかれたに違いません。

話を少し飛ばして、仮定のお話をさせてください。
イラク戦の事前評判は、米国がイラク最強地上戦力に相当に苦労すると言うものでした。しかし、蓋を開けてみると結果は米国の圧勝でした。もし、仮に北朝鮮と米国が戦争をすれば、結果はそれ以上のものになるでしょう。米国の圧倒的な先制攻撃によって、ミサイルを始めとした北朝鮮のほとんどの戦力は沈黙するはずです。そう、北朝鮮国内の戦力だけは。

日本においてはどうでしょう?日本において防げないものが1つあります。それはテロ行為。地下鉄で何かをまけば…恐ろしいことであり、ほとんど防ぐことができないでしょう。だって、相手は日本人と同じ顔をしている民族なのですから。安部官房長官が経済制裁による強気な姿勢を見せるのは結構ですが、国内でのテロの可能性について全く言及していません。なぜ、言及しないのでしょう?思うに防ぎようが無く、触れることが出来ないのだと思います。

そして、日本国内でテロが起これば、株価は間違いなく暴落します。最悪の場合、一定期間市場が停止し、場が開いたその日にサーキットブレイカーが発動。そうなったら、我々投資家は、あたふたするだけで何も出来ないでしょう。

だからこそ、この日本には『地政学的リスクがあり、ミサイルだけでない脅威が存在すること』、そして『ミサイル発射でさえも、予想の範囲を超えた行動をしてくる』こと。十分に認識しておかねばなりません。

この地政学的リスクに対して、投資家としてどう対処しておくべきか?それは改めて書きたいと思います。


※体調不良と雑事で、みなさまのブログを訪問することが出来てません。ごめんなさい。

危うきに近寄らず 

経営者の思惑による株価への影響を『経営者というリスク』で書きました。SBI<8473>による子会社ファイナンスオール<8437>吸収の発表と同時に合併比率を公表しなかったことで、子会社の株価が急落した件です。顛末まで見届けましたので報告しておこうと思います。
下の囲み記事を見ると分かりますが、発表前11万円を推移していた株価は急落し、ついに86,800円の最安値を付けるに至ります。子会社の掲示板では怒りと不安が渦巻き、合併比率の公表を迎えます。

ところが、ふたを開けてみるとその比率は驚きの1:2.5。理論的には17万以上が見込まれますので、翌日から急上昇ストップ高連発。本日12月7日に154,000円で寄り付き、出来高も大商いの122,081株。

<子会社上場−子会社吸収に加え、子会社株価対策せず>ファイナンスオールソフトバンクインベストメント:北尾吉孝氏
コナミ同様理由が全く分からないことに加え、子会社<8437>吸収時の合併比率を発表せず。結果、子会社大暴落。ホワイトナイトが聞いて呆れます。特に悪材料も無いのに8月以降の不思議なチャートをご覧ください。


もし、急落時の9万円台で買う勇気があれば、数日でほぼ確実に7万円を抜くことができた計算になります。しかし、合併比率について1:1.5などの憶測が渦巻いていた中で博打的なセンス以外では買えなかったでしょう。
結局、ゆうちゃんパパは9万円台で売ることも買うこともせず、持ち越すことにしました。たとえこの子会社の株と共にSBIに吸収されたとしても、子会社の子会社がIPOする材料を内包しており、また1:1.5では株主代表訴訟もありかねない、つまり9万円台が底値と踏んでいたからです。

ファイナンスオール&SBIそれにしても、なぜこのような公表の仕方をしたのでしょう?子会社吸収の発表と合併比率の公表を同時にやっていれば、11万円台の株価からそのまま株価は上がり子会社の株主はみんな幸せになっていたはずです。
両社の一年前の株価と現在を比較すると、反対の曲線を描きながらもくしくも上昇率は同じ75%。SBIグループとして素晴らしい資産創造としか言いようがありません。
しかし、その影で地道な業績の向上を信じて数ヶ月前に13万円で購入した株主が、業績と関係の無い材料で9万円で売ってしまったことも純然たる事実です。(反面、合併比率を知ることの出来る立場の人は、大もうけでしょうが)

株式投資は『博打では無い』と思っています。たとえ今回の波にうまく乗ってもそれは『丁半博打に勝った』に過ぎず、勝ち続ける強運が必要になってきます。今回のSBIグループ再編のように、最初から近寄らない方がいいものがあるようです。
ゆうちゃんパパは、本日無事子会社の株を160,000円で売りました。もう、SBIグループに二度と近づくことは無いような気がします。しかし、この子会社ファイナンスオールは良い会社だったんですけどねぇ…残念です。
122,188円(400株)→160,000円(400株)売却損益 151,328
 

<子会社:ファイナンスオール(8437)>
日付始値高値安値終値出来高
2005年12月07日154,000168,000154,000156,000122,081
2005年12月06日160,000160,000160,000160,00010,473
2005年12月05日140,000140,000140,000140,0001,948
2005年12月02日120,000120,000120,000120,0001,146
2005年12月01日95,000100,00094,500100,0008,516
2005年11月30日93,00097,40092,80095,50010,483
2005年11月29日87,90094,00087,60093,30019,025
2005年11月28日92,50093,60086,80087,90022,586
2005年11月25日100,000101,00094,30095,40016,828
2005年11月24日100,000105,000100,000101,00014,793
2005年11月22日111,000113,000109,000110,0004,763
2005年11月21日110,000111,000108,000110,0003,728

余談になりますが、この騒動の最中にSBI証券から「Eトレード証券の公募に応募しませんか?」と電話がありました。驚くほど高くなったEトレード証券を顧客に勧める感覚に多少閉口すると共に、きっぱりと断りました。
その前はSBI、さらにその前はモーニングスターの公募を勧められました。SBIグループに入る前はのんびりとした証券会社だったんですけどねぇ。なんだかなぁ。。。。

(追記)
ファイナンスオール&SB、縦軸2軸spiral_blueさんのブログでカブドットコム証券のスーパーチャートの紹介記事がありました。機能確認を兼ねてチャートを描いていたところ、右図を作れました。合併比率発表後、急速にサヤ寄せする姿が見て取れます。(面白い)

経営者というリスク(2)  

前回記事の続きです。個別銘柄の批判はあまり気が進まないので、このシリーズはこれで最後にします。最後を飾るのは、高千穂電気<2715>です。少しばかり詳細に、でも感覚的に記述します。
高千穂電気1高千穂電気は、2002年6月にJASDAQに上場致しました。公募価格1,700円に対して1,760円の初値、公募割れ寸前銘柄でした。上場時期が悪くその後も鳴かず飛ばずで、しかもSARSによる中国銘柄悪評価で最安値は870円を付けております。しかしながら、2003年12月の東証への鞍替え、堅実な成長や潤沢な資金などが評価され、またベンチマークとしての黒田電気と比較した時の割安感から少しずつ株価が上がり、2,990円まで上昇しました。

公募価格を奪還し、IRに派手さは無いが業績と高い配当で株主に応えてる会社として、掲示板でも長期の個人投資家がファンとしてついていた気がします。(この頃、お宝銘柄として長期保有を決めたものです。)
それらの個人投資家に応えるべく、2004年7月には想定外の株式分割分割を発表。一時的に落ち込んだ株価も、再び上昇波を描き始めました。

ところがです!
高千穂電気2その数週間後、なんと公募売出しを発表したのです。通常株式分割と公募売り出しをする場合、セットで行われます。売り出しで株数が増えることによって株の価値が下がりますから、株式分割とセットにするのです。
発表後、株価は一気に急落。(図の二山目のかけ上がった頂点で売り出しを発表) この会社はそこまで資金需要が逼迫しておらず、結局儲かったのは野村證券と社長の櫻井恵氏だけと言い切れるでしょう。掲示板でもこのいやらしい仕打ちに長期の株主からのやり切れなさが伺えました。
分割を東証1部昇格への布石と考え参加した投資家や長期の投資家など、多くの良質な個人株主が去ってしまいました。また、公募への応募も芳しくなく、その後数ヶ月間株価も低迷しました。

ゆうちゃんパパがそれでもこの株を売らなかったのは、平均1,517円の安い価格で持っていたからに他なりません。長期の成長はまだ続くとも読み、安くなったところで買い増しも行いました。そうこうしている間に東証1部へ昇格もしました。
しかし、結局2005年9月29日に全てを1,544円(分割前3,088円相当)で売り払いました。なぜ売却を決意したかというと元社員から訴えを起こされたからです。
訴えは個人的な恨みかもしれません。しかし、火の無いところに何とやらともいいます。良い会社かも知れないのですが、『何をやるか信じられなくなった会社に投資できない』これで見切りをつけました。3年とちょっとのお付き合いでした。

高千穂電気IRページより>
●2002年06月10日:JASDAQ上場(初値1,760円)
●2003年11月17日:東証2部へ鞍替え
●2004年07月15日:株式分割(2分割)を発表
●2004年08月02日:株価2,720円を記録
●2004年08月06日:100万株の公募売出しを発表
●2004年08月17日:2,284円で公募売出し価格決定
●2005年02月18日:東証1部昇格発表(1,280円/分割前2,560円相当)
●2005年08月26日:株主代表訴訟に対する見解を発表

だれを向いた『経営者』かを考える


高千穂電気配当経営者のリスク」と言い切ってしまうと語弊があるかもしれませんが、ある面間違いないことなので敢えてこのタイトルにしております。
写真は売却後に送られてきた第60期中間配当金の通知

経営者というリスク 

経営者のリスク耐震強度偽装問題が世間をにぎわしていますが、TVに出てくるデベロッパー3社の経営者の態度がびっくりするくらい違います。もし、自分がマンションを買う場合にこの3社のどこからは絶対買わないか、アンケートを取れば極端な結果が出るでしょう。
これはTVに経営者が出たからこそ、経営者やその会社の本質に触れることが出来たと言うものです。さて、株式市場に目を向けてみると最近持ち株が事故に巻き込まれるケースが増えてきました。

一生懸命がんばったのに業績が未達、これはある意味仕方無いと思っています。しかしながら、そうではないハイエナのような所業を行う経営者が増えてきた気がするのです。世間の風潮がすさんだと言えば、それまでかもしれません。しかし「武士は食わねど高楊枝」、日本男児として気概あふれる経営者であって欲しいものです。
最近、この「経営者のリスク」に敏感になることが、株式投資では重要なことのような気がしてきました。具体的な対応としては、まずは企業のサイトをじっくりと読んで、共感できる経営者の会社かどうか判断すると言うことです。そのような会社を選べるかどうかも自己責任の一つだと思います。

以下は、ゆうちゃんパパがあきれた所業の例です。客観的な事実を書きます。他にもありましたら、是非ご紹介くださいね。(なるべく穏便にお願いします)
<子会社上場−子会社吸収=莫大な差額益>コナミジャパン
コナミ:上月景正氏

子会社のソフト会社数社を上場させ、数年後に吸収。開発体制の強化が理由でしょうが、そもそもなぜ上場させたのか?子会社の一つコナミジャパンは業績急回復の矢先にあえなく吸収され、一度も公募価格を回復できなかった恥だけが残りました。子会社による見事な錬金術です。

<子会社上場−子会社吸収に加え、子会社株価対策せず>ファイナンスオール
ソフトバンクインベストメント:北尾吉孝氏

コナミ同様理由が全く分からないことに加え、子会社<8437>吸収時の合併比率を発表せず。結果、子会社大暴落。ホワイトナイトが聞いて呆れます。特に悪材料も無いのに8月以降の不思議なチャートをご覧ください。

<株券ジャブジャブ印刷>フォーサイド
フォーサイド・ドットコム<2330>安嶋幸直氏

外資と組みMSCBを大量に発行。「株価に影響が無いと判断し、発行に踏み切った」と素人並みの読みを披露。当時の株価95,000円が見事半値47,500円以下へ。ちなみに安嶋氏は2004年の全国長者番付14